2015年07月27日

『サラバ!』西加奈子


第152回直木賞受賞作でもあり、

2015年本屋大賞2位でもある西加奈子の「サラバ!」。

読んでドキッとした。

イランどころか海外へ住んだこともないし、

ヤコブのような同性への不思議な感情も幼い時でもなかったし、

家族にハチャメチャな姉もいなかったし、

両親もいったって普通で、婚約者の友達と結婚したり、

社交的な母親でもなかったし、父親も出家しなかったので

随分と違いますが、

日本で過ごしはじめた小学生からラストまで、

かなり自分とリンクしている所があり怖くなった。


似ているだけに主人公にかなり入り込んで読んでいたため、

終盤、姉の貴子が結婚して再会した時からの言動や手紙によって

頭を殴られたような、180°考え方を変えなければいけないような、

ものすごい衝撃を受けた。

主人公の歩はどうしようもないヤツだが、

父親、姉やヤコブ、自分たちの子供に「歩(あゆみ)」と名付けた

須玖や鴻上などがいる分、オレよりマシかも・・・。

上:2014年11月3日単行本初版第1刷発行/2015年4月13日単行本第6刷購入
下:2014年11月3日単行本初版第1刷発行/2015年4月13日単行本第5刷購入








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posted by のっぽ at 20:10| 西 加奈子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月25日

『火花』又吉直樹


本を購入し読んでいるがブログ更新を疎かにしており、

ブログに書けず堪っている。

とは言え結局、書いても本を売っていないので

当初の目的でもある、ブログに書いて本を売ったり、

新しい本は電子書籍に変更したりして、

部屋をすっきりさせるという思惑がズレていますが(笑)


とりあえず旬なうちに、第153回(平成27年度上半期)芥川賞受賞し、

100万部も突破した今、話題のお笑い芸人、又吉直樹の「火花」。

正直面白かった。

初めは、いろいろな純文学小説の言葉を

継ぎはぎしたようなぎこちなさや固定観念で稚拙に感じたが、

徐々に作家の気持ちがノってきたのか文章がスムーズになり、

引き込まれていたった。

所々でてくる先輩芸人・神谷と徳永の掛け合いは

お笑い芸人・又吉ならではのセンスで

普通の作家には書けないシュールで面白さが感じられる。


次回作は、違う分野の物語を読んでみたいですね。

2015年3月15日単行本第1刷発行/2015年3月15日単行本第1刷購入





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posted by のっぽ at 09:16| 又吉 直樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月03日

『虚像の道化師』東野圭吾


七つの短編からなる東野圭吾のガリレオシリーズ「虚像の道化師」。


第一章z「惑惑す(まどわす)」。

新興宗教「クワイの会」の信者が5階の道場から飛び降りた。

教祖は信者に指一本触れないものの、

自分が「強い念」を送ったため信者が飛び降りたと自首する。

これは事件なのか自殺なのか。

所轄ではこんな珍妙な事件は初めてだと苦慮していたが、

この手の事件に慣れている刑事がいるそうだと知り

警視庁捜査一課へ泣きついてきた。

やり玉に上げられた草薙刑事は今回も同級生である

帝都大学物理学者の湯川に力を借りて難事件に挑む。


第二章は「透視す(みとおす)」。

銀座のクラブ「ハープ」のホステス、アイこと相本美香が

荒川沿いの草むらで遺体となって発見された。

4ヶ月前、草薙刑事が何度か行っことがあり、

不思議なトリックを扱うアイを使って

湯川を驚かそうと訪れていた。

捜査をしているうちに徐々に浮かび上がる犯人像。

それと同時に相本美香がなぜホステスをしているのか

なぜ家族と縁遠くなっているのかも知ることとなり、

感動の結末を向かえる。


第三章は「心聴る(きこえる)」。

耳鳴りに悩まされていた脇坂睦美の上司・早見達郎部長が

自宅マンションから飛び降り亡くなった。

自殺ということで捜査は終結に向かいつつあったが

二ヶ月後、同じ会社に勤めている加山幸宏が

心療内科を受診しようとした病院で傷害を起こしている時、

たまたま風邪で居合わせた草薙刑事に取り押さえられる。

二つの事件の共通点は幻聴。

三たび湯川の知恵を借り、難事件へ挑む。

草薙刑事の同期で優秀ながら所轄にいる北原の思いと

犯人の醜い嫉妬や身勝手な考えがリンクされていることで、

ストーリーに厚みがでて面白い。

最期の草薙刑事のセリフや本音がイカしている。


第四章は「心聴る(きこえる)」。

東京エンジェルスの柳沢投手の婦人・妙子が

スポーツクラブの駐車場で殺された。

戦力外通告を受けていた柳沢は、

事件で担当になった草薙からあることが切っ掛けで、

仲間の後押しにより調子を取り戻そうと

湯川を紹介してもらう事になる。

しかし、生前に妻から言われていた現役に拘らず

スパッと引退し第二の人生を歩むという

結婚前からの約束により練習をしながらも心は揺れていた。

捜査が進む中、不可解な行動が明らかになるとともに

妻の本音を知ることになる・・・。

第二章の「透視す」と同じくハートフルな物語。

そして湯川が普段滅多に見せない熱く、人間臭さが

全面的に出ている珍しいストーリーでもある。


第五章は「念波る(おくる)」。

長野県に暮らしている童話作家の御厨春菜と

青山にあるアンティークショップ経営者で姉の若菜は双子。

胸騒ぎにより姉が心配だと叔母の御厨藤子から電話させ、

若菜の旦那である磯貝知宏を自宅へ向かわせると

後頭部と額側面を鈍器のようなもので殴られ血を流し倒れていた。

春菜は警察へテレパシーでわかったと伝えるが

調書にテレパシーなどと書き難い草薙は例によって湯川を引きずり込む。

今回も湯川らしからぬ優しさにより、早期に決着をする。


第六章は「偽装う(よそおう)」。

大学時代にバトミントン部で一緒だった谷内の結婚式のために

東京から3時間かけて山中のリゾートホテルに着いた。

大雨の中、土砂崩で道が寸断されたり、

有名作詞家の家で猟銃と絞殺で二人が殺された

殺人事件が起こったりと天災や事件が重なり、

町長になった谷内から懇願され、

草薙は殺人事件の現場検証に立ち会うことになる。

草薙が事件現場を撮影した写真を湯川のパソコンで確認しているところ

湯川はある不自然なことを見つけてしまうー。

殺人事件として捜査が始まる前に

またまた湯川らしからぬ粋な計らいにより、

ひとりの人が過ちを犯さずに事件は解決する。

傘を貸すなど良い事はしておくべきですね。


第七章は「演技る(えんじる)」。

劇団「青狐」の演出家・駒井良介が劇団の稽古場で殺された。

胸には演目で使用されるナイフが刺さっており、

犯人は関係者に絞られた。

しかし、手袋を使っていることや携帯電話の偽装など

計画性が高かったにも関わらず、

なぜ犯人が絞れやすいナイフが残されたのか。

あることで「青狐」ファンクラブ特別会員になっている湯川が

珍しく自ら事件に携わっていく。

犯人の殺害動機や方法よりも、

それを越えたある人物の思考が恐ろしい。


どの作品も楽しめるエンターテイメント作品に仕上がっていました。

2015年3月10日文庫本出版/2015年3月10日第1刷版購入





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posted by のっぽ at 16:22| 東野 圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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