2014年08月30日

『門』夏目漱石


「三四郎」「それから」に続く三部作の終編「」。

野中宗助は、親友・安井の妻を略奪したという

罪悪感にさいなまされ、ひっそりと暮らしていた。

両親が亡くなり、

弟の小六を叔父の家に預かってもらっていたが、

東京から離れている間、

叔父の佐伯は宗助が相続した東京の実家を売り払い、

投資などしたが詐欺に合い財産がなくなったり、

息を引き取ったため、

しかたなく小六を引き取り共に暮らすことになる。

ある日、懇意になった大家の坂井との話の中で、

宗助は坂井に招かれ、居間に見つけたものは、

宗助の父が購入し、泣く泣く手放した古い屏風だった。

坂井には2人の娘がいたが宗助は

病弱な妻のお米は3度の流産を経験しており、

子供には恵まれなかった。

ある時、モンゴルで活躍する坂井の弟の話を聞かされる。

近々帰国する弟を一度紹介したい。

弟は友人を連れて帰国するが

友人の名前は「安井」という・・・。


自由と理想を手に入れたようで

不自由で不幸な人間として描かれている宗助は、

過去に苦しみ、自他や社会との差異に苦しんでいる。

自由と理想と現実と責任。

この三部作は恋愛の物語を中心としながらも

太平洋戦争で日本は大敗し、

西洋文化が正しいとの思想がなだれ込んできた時代に

一石を投じた作品という側面の方が大きい気がする。

1948年11月25日文庫本出版/1978年7月30日62刷改版
1996年6月10日第105刷版購入


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posted by のっぽ at 08:40| Comment(0) | 夏目 漱石 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月28日

『それから』夏目漱石


大学生を描いた「三四郎」の続編「それから」。

資産家の二男として裕福な生活を送っている長井代助。

独り気楽に暮らしていた。

対照的に親友である平岡は卒業後、銀行に就職し、

一年後に代助と平岡との共通の友人の妹である三千代と結婚する。

しかし、平岡は部下の失態によって自分が辞職しなければならなく、

美千代が身ごもったがすぐに亡くなり、体の調子が悪く、

借金を背負う羽目になった。

平岡を何とか助けようと思った代助は、

父や兄に助けを求めるも断られる。

働かない信念として「海外の文化を取り入れて

西洋国の仲間入りを果たそうとする日本だが、

同義欲を忘れ生活欲を満たそうとしており、

そのせいで皆が余裕なく働いて心身ともに衰弱しきっている。

自己の自然にしたがって生きるのが第一ではないのか」

と思っているが自分の力のなさに気がつき始める。

また、三千代に会う機会を重ねて、

自分が三千代を愛していることにあらためて気づく・・・。

行き着くとこまで行き、

「もうなるがままになれ、あとはそれからだ」と

お金持ちの息子が現実を直視せず、

理想を追い求めていくストーリー、夏目漱石の「それから」。

1948年11月30日文庫本出版/1985年9月15日79刷改版
1995年5月30日第101刷版購入


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2014年08月25日

『三四郎』夏目漱石


熊本の高等学校を卒業して

東京の大学に入学した小川三四郎は、

見る物聞く物の総てが目新しい世界の中で、

自由気儘な都会の女性里見美禰子に出会い、

彼女 に強く惹かれてゆく……。

青春の一時期において誰もが経験する、

学問、友情、恋愛への不安や戸惑いを、

三四郎の恋愛から失恋に至る過程の中に描いて

『それから』『門』に続く三部作の序曲をなす作品。

『坊ちゃん』と並んで青春小説の古典として

夏目漱石の代表作の1つ。

随分と昔に読んだため、正直細かいところまでは

あまり記憶に残っていないので、

あらためて読み直してみるのも一計かな。

1948年10月25日文庫本出版/1986年2月20日97刷改版
1995年6月5日第116刷版購入


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ラベル:三四郎 夏目漱石
posted by のっぽ at 09:03| Comment(0) | 夏目 漱石 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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