2014年11月07日

『マスカレード・イブ』東野圭吾


マスカレード・ホテルに続く第2弾、

東野圭吾の「マスカレード・イブ」。

2人が出会う前の物語が収録。


一話目の「それぞれの仮面」は、山岸尚美の物語。

ホテル・コルテシア東京に就職して4年が経ち、

先月、希望だったフロントオフィスに配属された。

そんなある日、元プロ野球選手のマネージャーとして

宿泊の手続きをしていた人物が元カレ・宮原だった。

その宮原から部屋に緊急に呼び出されると

呼び寄せた自殺未遂もしかねない女性が

行方不明になったと打ち明けられるー。

簡単に推測できてしまうストーリーだが

山岸尚美の人柄や宮原の人の良さにホッコリさせられる作品。


二話目は警視庁捜査一課に配属された新田浩介の「ルーキー登場」。

ホワイトデーの夜に起きた殺人事件が舞台。

昨夜、数多くの飲食店を経営する実業家・田所昇一がランニング中、

自宅近くの建設現場内で背中と腹部を刺されて死亡していた。

建設現場内では待ち伏せしていたように

同じ銘柄のタバコの吸い殻が5本落ちていたが

新人の新田の推理によって犯人のカムフラージュと気がつく。

そして怪しげな男・横森仁志に辿り着くが、

思わぬ方向へと進んで行くー。

新人の頃から出来る新田浩介が描かれていると同時に、

「思い込み」もしくは「マインドコントロール」という

オカルト宗教やオレオレ詐欺など

現代社会に巣くっている問題を想起させる作品に仕上がっています。


三話目は山岸尚美の「仮面と覆面」。

怪しげな四十を過ぎた五人組の男たちが

チェックインする際にタチバナサクラの部屋を尋ねられる。

答えないのはもちろんだが気になりインターネットで調べると

名前と生年月日しかわからない27歳の女性作家と判明。

しかし、宿泊としてきたのは

五十歳前後の小太りの中年男・玉村薫だった。

だが、山岸尚美の洞察力により

さらに秘密のベールが隠されていることが暴かれるー。

微笑ましい結末がいいですね。

読み終るとタイトルの「仮面と覆面」が効いているなぁと感心。


四話目はついに山岸尚美と新田が登場する

表題の「マスカレード・イブ」。

教育係&応援としてオープンしたホテル・コルテシア大阪で

フロント業務をこなしている山岸尚美は、

薔薇の香りの女性客と眼鏡をかけ四十代であろう身体の引き締まった

知的な二枚目の男性の仮面に気づく。

一方、東京の泰鵬大学理工学部教授・岡島孝雄が

教授室で殺された殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、

准教授で共同研究をしている南原定之に不審を感じる。

事件の夜、男は大阪にいたとアリバイを主張するが、

なぜかホテル名を言わない。

殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのかー。

二人が出会う前の、それぞれの物語。

結局、二人は直接合うことはないが絡み方が絶妙。

お洒落なエンディングに仕上がっています。


エピローグは、「マスカレード・ホテル」の大事な場面だけど

読んだ方々には必要ない気がする。かえって興ざめしてしまう。

2014年8月25日文庫本出版/2014年9月9日2版刷購入





にほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へ
にほんブログ村


posted by のっぽ at 07:13| Comment(0) | 東野 圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。