2014年02月02日

『細雪』谷崎潤一郎


大正時代に御大家であった蒔岡家だが、

子が四人姉妹であったため家督を長女・鶴子の養子婿・辰雄に譲り、

次女・幸子にも婿を迎えて分家させたまでで死去。

銀行に勤めていた辰雄は、堅実で臆病なゆえ、

義理の妹や親戚などの反対を押し切って、

家来筋に当たる男に店の暖簾を譲り、

銀行員に戻ったため、拍車をかけて斜陽しかけていた。

それでも家名にふさわしい婚家先を望むため、

三女の雪子は美人なのだが縁談がまとまらず、

30代になっても嫁げずにいる。

幸子夫婦は心配して奔走するが、

無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日が経ってゆく。

雪子と対照的に四女の妙子は自由奔放な性格で、

男との恋愛事件が絶えず、

それを処理するためにも幸子夫婦は飛びまわらざるをえない。

ある日、大水害にみまわれ、姉の鶴子一家は東京に転任になる。

さらに日中戦争が日ましに激しくなり、

生活はしだいに困窮していくが、世間の喧噪とは別に、

花見、螢狩り、月見などの伝統的行事を楽しむ姉妹たち。


そんな時代とともに変わりゆく一見華やかで絢爛な

大阪の上流階級の生活を描いた谷崎潤一郎の「細雪」。

谷崎潤一郎特有の過剰なほどの女性愛やマゾヒズムなどの

スキャンダラスな内容とは違い、芸術性を高めた純文学の秀作。

上:1955年10月30日文庫本出版/1994年4月25日85刷版購入
中:1955年10月30日文庫本出版/1994年12月5日74刷版購入
下:1955年10月30日文庫本出版/1994年4月30日73刷版購入

『細雪(上)』谷崎潤一郎

『細雪(中)』谷崎潤一郎

『細雪(下)』谷崎潤一郎


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ラベル:細雪 谷崎潤一郎
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2014年01月28日

『卍(まんじ)』谷崎潤一郎


夫に不満のある若い妻・園子は、

美術学校に通い始めて出会った光子と校内で

二人が同性愛の関係にあるのではないかという噂が広まる。

当初は根も葉も無い噂に過ぎなかったが、

会うたびに二人の親密度は増していき禁断の関係に落ちる。

しかし、婚約者である異性の綿貫栄次郎との関係も持つ

奔放な光子が妊娠したことで園子は、情欲と独占欲に苦しむ。

さらに綿貫栄次郎が光子との関係に不安を抱いたたために書いた

誓約書にサインをさせられる。

それの誓約書が新聞社に知られることになり、

園子と光子との関係は白日の下に晒されてしまう・・・。

谷崎潤一郎が女性の同性愛を描いた「卍(まんじ)」。

関西が舞台のため関西弁で書かれており、

物語の内容はもちろん、表現も野心的な作品となっています。

1951年12月10日文庫本出版/1999年5月15日93刷版購入


『卍(まんじ)』谷崎潤一郎


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2014年01月22日

『春琴抄』谷崎潤一郎


春琴こと鵙屋琴は眼病により失明したが

大阪道修町の薬種商鵙屋の次女ということでわがままに育った。

そこで身の回りの世話をしていた丁稚の佐助とともに三味線を学ぶが

ここでも佐助へ激しい稽古をつけるなど

自由奔放に振る舞っていた。

しかし、師匠の死を期に三味線奏者として独立し

弟子兼世話係として佐助とともに生計を立て始める。

相変わらず我が侭で贅沢するため家計は苦しかったため、

名家の息子・利太郎を弟子にすることにしたのだが、

利太郎は美貌の春琴が目当で弟子入りした輩で、

春琴に迫り、もみ合っているうち利太郎を怪我をさせてしまう。

その数ヶ月後、屋敷に侵入した何者かが

春琴の顔に熱湯を浴びせ、大きな火傷を負うことに。

顔を誰にも見せたくないため春琴は佐助さえ近づけさせない。

そんな春琴を想い、佐助は自ら両眼を針で突き失明する・・・。

男が女に献身的で盲目的な愛を貫く

谷崎潤一郎らしい中編小説「春琴抄(しゅんきんしょう)」。

マゾヒズムな谷崎作品をご堪能できます。

1951年1月31日文庫本出版/1998年10月20日95刷版購入


『春琴抄』谷崎潤一郎


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