2014年09月03日

『道草』夏目漱石


夏目漱石の自伝的小説「道草」。

留学から帰った健三は大学教師になり、

長い時間をかけて完成する目的で一大著作に取りかかっている。

だがその妻お住は、夫を世間渡りの下手な偏屈者と見ている。

そんな折、15〜16年前に縁が切れたはずの

養父・島田が現われ金を無心する。

さらに腹違いの姉や事業に失敗した妻の父までが現れ、

金銭等を要求されるー。

金銭と家族の問題、理解しあえない夫婦関係は

どの時代でもある問題なんだと認識させられる。

金銭に苦労させられた夏目漱石が一時期

1,000円札に描かれていたことが何故か滑稽に感じる。

1951年11月28日文庫本出版/1969年2月25日32刷改版
1992年2月15日第76刷版購入


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2014年09月01日

『こころ』夏目漱石


上「先生と私」、中「両親と私」、下「先生と遺書」の

三章に分けて構成された夏目漱石の「こころ」。


上「先生と私」

明治時代。上京し大学に通っていたが

大学で時間を無為に過ごしていた。

ある時鎌倉の海岸で、先生と出会う。

独特な雰囲気を醸し出す先生に魅かれ、

先生からは人生の教訓を学びたいと思うようになる。

大学を卒業後、先生に報告するため家を訪れる。



中「両親と私」

先生の家を訪ねた後、一度実家に帰省することになった。

腎臓病が重かった父親は、ますます健康を損ない、

東京へ帰る日を延ばした。

実家に親類が集まり、父の容態がいよいよ危なくなってきたところへ、

先生から分厚い手紙が届く。

手紙が先生の遺書だと気付き、東京行きの汽車に飛び乗った。


下「先生と遺書」

大学在学中に両親を亡くした先生は、

叔父に両親の遺産を食い潰されてしまった。

その後、人間不信に陥った先生は下宿で

一人暮らしをするようになった。

その時の大家の娘が先生の奥さんとなる人である。

次第に先生は彼女と打ち解けるようになっていた。

一方、先生は大学生のころKという親友がいました。

彼は親に勘当されて貧しい大学生活を送っていたが、

体を酷使したバイトと勉学を両立していた。

しかし、見かねた先生は自分の下宿屋に来るようにいい、

一緒に住むことになるのだが、

彼は大家の娘に惚れてしまった。

もともと彼女に好意を持っていた先生は

元のKに戻ってもらおうとKが昔言った台詞を彼自身へ言った。

「精神的に向上心の無いものは馬鹿だ。」と。

さらに先生は奥さんに娘さんとの結婚の約束まで取り付けます。

このことを奥さんがKに話した二日後、彼は遺書を残して自殺します。

遺書が残されていたが

そこには先生に対する恨みなど一切書かれていなかった。

先生は後にお嬢さんと結婚しますが、

彼女の顔を見るたびに罪の意識にさいなまれます。

そんな中で報道されたのが明治天皇の死、そして乃木大将の殉死。

先生はこの殉死という言葉に触発されて自殺することを決意するー。


中学生時代、読書感想文を書くために

「坊ちゃん」などで馴染みがあった夏目漱石の中から

タイトルから読みやすそうだと判断して読みはじめたが

なんだか頭に入ってこず、苦労したのを思い出した。

1952年2月29日文庫本出版/1968年6月15日46刷改版
1984年5月30日第97刷版購入


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ラベル:こころ 夏目漱石
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2014年08月30日

『門』夏目漱石


「三四郎」「それから」に続く三部作の終編「」。

野中宗助は、親友・安井の妻を略奪したという

罪悪感にさいなまされ、ひっそりと暮らしていた。

両親が亡くなり、

弟の小六を叔父の家に預かってもらっていたが、

東京から離れている間、

叔父の佐伯は宗助が相続した東京の実家を売り払い、

投資などしたが詐欺に合い財産がなくなったり、

息を引き取ったため、

しかたなく小六を引き取り共に暮らすことになる。

ある日、懇意になった大家の坂井との話の中で、

宗助は坂井に招かれ、居間に見つけたものは、

宗助の父が購入し、泣く泣く手放した古い屏風だった。

坂井には2人の娘がいたが宗助は

病弱な妻のお米は3度の流産を経験しており、

子供には恵まれなかった。

ある時、モンゴルで活躍する坂井の弟の話を聞かされる。

近々帰国する弟を一度紹介したい。

弟は友人を連れて帰国するが

友人の名前は「安井」という・・・。


自由と理想を手に入れたようで

不自由で不幸な人間として描かれている宗助は、

過去に苦しみ、自他や社会との差異に苦しんでいる。

自由と理想と現実と責任。

この三部作は恋愛の物語を中心としながらも

太平洋戦争で日本は大敗し、

西洋文化が正しいとの思想がなだれ込んできた時代に

一石を投じた作品という側面の方が大きい気がする。

1948年11月25日文庫本出版/1978年7月30日62刷改版
1996年6月10日第105刷版購入


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